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上腕骨骨幹部骨折症例

上腕骨骨幹部骨折症例 AO12B3(増井)

症例72歳、女性
術前レントゲン
上腕骨近位端骨折術後(他院)、AO12B3骨折を認める。
術前3DCT
治療計画
  • 内固定材の選択
      *LCP:1本のnarrow LCP(メインプレート)だと遠位スクリュー本数が2本で固定性が弱い。
      *double plating(補助プレート:reconstruction plate)を予定
      *髄内釘:Retrograde nailは遠位骨片の骨折リスクあり、またantegrade nailは遠位スクリューが2本しか入らず固定性が弱い。
  • 皮切
      *Deltopectoral approachから前外側に至る皮切で上腕骨全長を露出して、double platingを予定
術中・後経過
  • 出血量:550ml
  • 手術時間:2時間7分
  • リハビリ:術後2日コッドマン訓練・他動運動、術後1週自動運動
  • 術後6か月:骨癒合、肘・肩関節可動域full range
術直後レントゲン
術後4か月レントゲン
ポイント
  • 内固定材の選択:遠位骨片の固定性、骨折リスク等を考慮して選択
      *Retrograde nail:遠位骨片の骨折リスク
  • Deltopectral approachから前外側に至る皮切:上腕骨全長が露出できる
  • LCPの設置
      *掌側LCP:fossa olecranonにかからないように
      *外側LCP:上腕筋で橈骨神経の圧迫予防