専門医療センター

MICS(低侵襲心臓手術)とは

”低浸襲手術”とは“からだにやさしい、身体への負担が少ない手術”のこと。従来の心臓手術は、胸骨(=胸の真ん中にある肋骨を一つに束ねている骨)を切開する「胸骨正中切開法」で行われます。それに加えて、人工心肺装置を用いて心臓の拍動を停止させます。いずれも体への負担は決して軽いとは言えません。近年、そのどちらか、または両方を行わない心臓手術の術式が開発され、それらは低侵襲心臓手術(minimally invasive cardiac surgery)略してMICS(ミクスまたはミックス)と呼ばれています。

当院では弁膜症に対して、胸骨を全く切らない右小開胸(体型にもよりますが、僧帽弁手術で4cm程度、大動脈弁手術で5cm程度の創)による弁形成術または弁置換術を行っております。さらに、僧帽弁手術では手術支援ロボットdaVinciXi(ダビンチXi)を使用し、より一層からだへの負担が軽いロボット心臓手術を行っております。

また狭心症に代表される冠状動脈疾患に対しては、人工心肺を使用しない心拍動下冠状動脈バイパス術を行っております。一部適応のある患者さんに対しては、バイパスのために使用する内胸動脈の剥離を手術支援ロボットダビンチで行う、より低侵襲な手術も実施しています。

2021年6月から、新たに不整脈の一種である心房細動に対する内視鏡手術を開始しました。

当院では2023年3月現在、1,000件を超える低侵襲心臓手術を実施しています。

低侵襲心臓手術センター長 中村 喜次

ロボット手術センターダビンチ

低侵襲心臓手術に関するお問い合わせ

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