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膝蓋大腿靭帯損傷・膝蓋骨骨軟骨骨折症例

膝蓋大腿靭帯損傷・膝蓋骨骨軟骨骨折症例(増井)

症例 35歳、女性
膝蓋骨脱臼、MPFL損傷、膝蓋骨骨軟骨骨折
術前CT
膝蓋骨軟骨欠損部と骨軟骨片を認め、膝蓋骨は外側へ亜脱臼している
術前MRI 膝蓋骨は外側へ亜脱臼とMPFLの断裂を認める
下肢機能軸 下肢機能軸は膝関節外側を通っている
手術 内側傍膝蓋骨アプローチ
膝蓋骨内側上縁から遠位を展開する
MPFLは膝蓋骨より2㎝ほどのところで断裂しており、同部から関節包を切開。関節内に剥がれた骨軟骨片と膝蓋骨軟骨欠損部を認める。
断裂したMPFLをを認める
膝蓋骨近位内側を露出し、アンカースーチャーを打ち込む

骨軟骨片を膝蓋骨軟骨欠損部に戻し、吸収ピンで固定する
膝蓋骨軟骨欠損部の遠位はKWでドリリングする
アンカースーチャー縫合糸でMPFLにKrackow sutureをかけ、膝関節屈曲30度で縫合する
MPFLがアンカースーチャーの縫合糸でアンカースーチャーの縫合糸でしっかりと縫合されている
関節包もアンカースーチャーの縫合糸で膝関節屈曲30度で縫合する
術中・後経過
  • 手術時間:1時間58分
  • 出血量:110ml
  • 後療法:術後2日自動運動、術後1週他動運動
  • 術後12週可動域:0/115度
ポイント *膝蓋骨脱臼:外傷性、反復性、習慣性、恒久性
*原因:外傷、大腿四頭筋異常、大腿骨顆部形成不全、膝蓋骨高位、外反膝など
*外傷性膝蓋骨脱臼:保存治療(2~3週間固定)、手術療法
*手術療法:外側解離術、脛骨結節内方移動、内側支持機構(内側大腿膝蓋靭帯:MPFL)修復・再建術
*MPFL付着部裂離骨折:アンカースーチャーを用いた観血的整復固定術、内側支帯縫縮術
*本症例
・原因:外傷+外反膝
・手術:内側支持機構(内側大腿膝蓋靭帯:MPFL)修復+内側支帯縫縮術