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当科における高齢者に発生した大腿骨近位部骨折に対するVTEの予防

当科における高齢者に発生した大腿骨近位部骨折に対するVTEの予防
雑誌整形外科掲載論文原文

千葉西総合病院 整形外科・関節外科センター
増井文昭、伊藤吉賢、齊藤雅人、佐藤健二*、白旗敏克、阿部哲士*

はじめに

高齢社会に伴い、大腿骨近位部骨折はさらに増加してくると考えられる。早期に手術を行うことにより早期離床が可能となり、心不全、肺炎、静脈血栓塞栓症(以下、VTE)をはじめとする合併症が減り、患者の生命・機能予後の改善が期待できる1)。高齢者は脳梗塞や心筋梗塞などの心疾患に対して、しばしば抗血小板薬や抗凝固薬を内服している。手術に際して一定期間休薬することが推奨されているため待機手術となり、休薬により脳梗塞、心筋梗塞の再発や増悪が起こることがある。一方、近年、VTEの予防のために新しい抗凝固薬が開発されているが、抗血小板薬との併用の危険性について十分な啓蒙がなされていない印象がある。さらに、高齢者へのVTE予防薬使用の費用対効果も重要な問題と考える。今回、我々が行っている高齢者の大腿骨近位部骨折に対するVTE予防プロトコールの治療成績および費用対効果について検討を行った。

対象および方法

2012年9月1日〜2014年6月31日までに当院にて行った大腿骨近位部骨折の手術症例124例(頚部骨折67例、転子部骨折57例)を対象とした。性別は抗血小板薬群、男性7例/女性33例、ワルファリン群、男性20例/女性64例、年齢は抗血小板薬群61~97歳(平均82.3歳)、ワルファリン群64~96歳(平均81.4歳)であった。手術方法は頚部骨折に人工骨頭置換術、転子部骨折に観血的整復固定術(Short Femoral Nail)を施行し、VTEの予防は当科プロトコールに従い行った。

当科の高齢者の大腿骨近位部骨折に対するVTE予防プロトコール(図1)

受傷前から抗血小板薬を服用している症例は休薬せずに継続し(抗血小板薬群)、抗血小板薬を内服していない症例は、術翌日よりワルファリン2~3mgをPT-INR(2.0-3.0にコントロール)をみながら内服し、Hb7.5g/dl以下で服用中止とする(以下、ワルファリン群)。また、アスピリン含め抗血小板薬を多剤服用している際はアスピリンのみ単剤服用を継続する。入院時、手術前2日、手術後1・3・7・14・21・28日にD-dimer測定、下肢超音波検査を手術前2日、手術後3・7日に行い、肺血栓塞栓症(以下、PTE)が疑われる場合には造影CT検査を行う。さらにD-dimerが術後1週間以降で15μg/ml以上または経時的にD-dimerが上昇してくる症例に対しては下肢エコー検査を行う。当科のプロトコールでVTEの予防を行った大腿骨近位部骨折症例における手術時間、入院時Hb値、手術後1日Hb値低下、深部静脈血栓症(以下、DVT)・PTEの発生率、転帰について検討を行った。

結果

骨折型の内訳は抗血小板薬群40例(頚部骨折21例、転子部骨折19例)、ワルファリン群84例(頚部骨折46例、転子部骨折38例)であった。受傷から手術までの待機日数は抗血小板薬群2~25日(平均5.3日)、ワルファリン群1~15日(平均4.8日)、手術時間は抗血小板薬群18~74分(平均44.6分)、ワルファリン群20~110分(平均49.5分)、入院時Hb値は抗血小板薬群6.8~14.4 g/dl(平均11.1g/dl)、ワルファリン群8.3~15.1g/dl(平均11.6/dl)、術後1日Hb値低下は抗血小板薬群0.1~4.1g/dl(平均1.70g/dl)、ワルファリン群0.3~4.6g/dl(平均1.94g/dl)で、入院時Hb値および術後1日Hb値低下は両群に有意差を認めなかった(表1)。抗血小板薬群の内、転子部骨折1例(アスピリン内服)は入院時Hb6.8g/dlと著しい貧血を認め、術前に濃厚赤血球4単位の輸血を行った。DVT発生は抗血小板薬群4例(10%)で術後3日2例(5%)、術後7日1例(2.5%)、術前2日(受傷後5日)1例(2.5%)に、ワルファリン群は11例(13.1%)で術後3日8例(9.5%)、5日1例(1.2%)、7日1例(1.2%)、21日1例(1.2%)に認め、DVT発生率は両群に有意差を認めなかった。また、PTE発生は両群とも認めなかった(表2)。術後DVTは定期的な下肢超音波検査で発見され、術後3日10例(全DVT発生症例の66.7%)、術後5日1例(6.7%)、術後7日2例(13.3%)、術後21日1例(6.7%)であった。死亡退院は5例に認め、誤嚥性肺炎2例、心不全1例、敗血症1例、消化管出血1例で致死性PTEは認めなかった。

症例1

89歳 女性 左大腿骨転子部骨折

既往

虚血性心疾患にてアスピリン内服中

経過

入院時の血液検査でHb6.8g/dlと著しい貧血を認め、術前に濃厚赤血球4単位の輸血を行った。アスピリンは休薬せずに受傷3日目に観血的整復固定術(図2)を施行した。術後3日目の血液生化学検査でD-dimerは9.3μg/ml であったが、下肢超音波検査で大腿静脈にDVTを認めた。造影CTにてPTEは認めず、循環器内科にてヘパリンおよびワルファリンによる抗凝固療法が開始となった。術後3か月間、ワルファリンを服用し、現在、外来通院中である。

症例2

 76歳 男性 左大腿骨頚部骨折

既往

糖尿病、高血圧

現病

入院時の血液検査でHb13.0g/dl、受傷3日目に人工骨頭置換術(図3)を施行した。術後1日目よりワルファリン2㎎内服開始、術後2・4日目のHb値8.0 ・8.4 g/dl、PT-INR1.17・1.48、D-dimer 値は2.2・3.6μg/mlで、術後6日には特に痛み・気分不快などの訴えもなく歩行訓練を開始していた(表3)。深夜にナースコールがあり、来室時、吐血(200ml)を認め、数分で心電図モニターにてPVC連発、Vf波形を示し、十数分後には心停止となり永眠された。なお、術後腹部症状の訴え、採血上の問題はなかったが、周術期消化管潰瘍による動脈性出血が疑われた。

考察

高齢者の背景には脳梗塞、心筋梗塞、心房細動などに対して抗血小板薬や抗凝固薬を内服していることが挙げられる。VTEの予防は薬物療法が中心であるが早期離床も重要な要素と考えられる。抗血小板薬や抗凝固薬は手術に際して一定期間休薬することが推奨されているため早期離床が遅れ、VTE、肺炎、心不全等のリスクが高くなる。これまでに著者らはDVTは受傷後平均5.2日、術後平均5日に発生していると報告してきたが2)、今回の検討では受傷から手術までの期間は抗血小板薬群平均5.3日、ワルファリン群平均4.8日で、受傷早期に手術を施行したことも従来の抗凝固療法と遜色ない予防効果が得られた要因と考える。日本整形外科学会大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン3)ではできる限り早期(4日以内が有効)の手術が推奨(GradeB)されている。今回の検討もガイドラインの指針を裏付ける結果となり、受傷早期の手術はVTEの予防に有用と思われた。

これまでの報告は無症候性VTEを発生させないことを目的としたものが多いが、最終的な目的は早期に発見して致死性PTEを予防することと考える。米国胸部疾患学会(以下、ACCP)の抗血栓療法ガイドライン第8版(以下、ACCP 8th)はVTEの予防を目的としているが4)、エノキサパリン投与症例のDVT発生率は13.1%としている。我々のプロトコールでもDVT発生率はアスピリン群10%、ワルファリン群13.1%で同等の予防効果を示していた。さらにACCP 9thでは患者予後という視点から検討され5)、整形外科術後肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症マニュアルでは症候性PTE、致死性PTEはそれぞれ1.6%、0.3%とされている6)。我々のプロトコールはPTEの発生を認めかったことから、従来の報告と比較して、VTEの予防、患者生命予後の観点から同等の有用性があると考えられた。

ワルファリンはビタミンK依存性凝固因子(II/VII/IX/X因子)を抑制する作用を期待して使用されるが、ビタミンK依存性抗凝固因子(プロテインC・S)生成も抑制する作用も持つことから両者のバランスにより凝固亢進に傾いている場合がある。そのため、ビタミンK依存性凝固因子が十分低下し、PT-INRが有効域に達するまでの期間はビタミンKに依存しないヘパリンが併用される。今回の検討でワルファリン群のDVT発生症例の72.7%が術後3日目の下肢超音波検査でDVTが発見され、この期間の凝固能を抑制することがDVTの予防に重要と思われた。外傷では生理的止血・創傷治癒過程でプロテインCの活性化と消費、凝固能亢進によるビタミンK依存性凝固因子の消費が起こっていると考えられ、症例(年齢、体重、腎機能など)に応じて術後3~5日間はエノキサパリン、フォンダパリヌクスとの併用を検討すべきと考える。さらに骨折患者は受傷直後より凝固能は亢進するため、線溶系も活性化される。術後はさらに凝固能は亢進するが、骨折部や全身の状態によってはプロテインC・Sなどの抗凝固因子は枯渇してくると考えられる7)。著者らは術前ヘパリン投与により術後VTEの発生が軽減する可能性があると報告しているが2)、術前より投与することで抗凝固因子の消費を減らし、術後の抗凝固因子の枯渇が軽減できたことも原因のひとつと考える。今後は術前からエノキサパリン、フォンダパリヌクス投与の研究が期待される。

手術に際して適切な休薬・再開時期を比較検討した大規模な臨床試験はなく、手術時間、出血量あるいは手術部位などの手術侵襲は様々で休薬についての明らかな知見はない8)。術前の抗血小板薬休薬のリスクとしてはアスピリンを中止すると脳梗塞発症が3.4 倍高まると報告されている9)。近年、使用される冠動脈薬剤溶出性ステント(DES)はステント再狭窄に対する予防効果があるが、慢性期にステント血栓症を起こすことがある。American College of Cardiology(ACC)、American Heart Association(AHA)はステント留置後の抗血小板療法に関してDES留置前に、抗血小板薬を12ヶ月継続できるかどうか十分に検討する、外科医は抗血小板薬の中止に際しては循環器科医師に相談するなどを勧告している10)。さらに、抗血小板薬と抗凝固薬は薬剤添付文書に出血の危険性を増大させる他の薬剤との併用は注意する、併用が不可欠である場合は注意深く観察するなどが記述されている。冠動脈ステント患者は血栓予防としてアスピリンとクロピトグレルあるいはアスピリンとチクロビジンを服用していることが多い。ステント血栓予防のためには術後早期の抗血小板薬再開が望まれるが、VTEを予防する為の抗凝固薬との併用は出血のリスクが高くなると考えられる。抗凝固薬と抗血小板薬併用の報告としてはクロピトグレルとワルファリン併用で重篤な出血リスクは2.5倍に増加する、アスピリンとワルファリンの併用では脳出血の発症がワルファリン単独に比較して2.6~3.0倍に増加するため2剤併用は危険である、未分画ヘパリンとアスピリン併用は未分画ヘパリン単独使用と比較して脊髄硬膜外血腫の発生が26倍になるなど、抗血小板薬と抗凝固薬併用の危険性に関する様々な報告がある11~15)。一方、本邦において藤田らは股関節骨折手術患者に対して抗血小板薬+エノキサパリン減量投与を行い、症候性VTE0%(0/20例)、輸血を要した合併症0%(0/20例)と抗血小板薬+エノキサパリン減量療法の良好な成績を報告している16)。抗血小板薬を休薬する際はwash outされるまでの期間はヘパリン投与を行い、一定期間は抗血小板薬と抗凝固薬を併用することになる。抗血小板薬内服患者への対応は抗血小板薬継続投与で早期手術、抗血小板薬を休薬、ヘパリンを投与して効果が消失後に手術、抗血小板薬と抗凝固薬を併用し早期手術などが考えられるが、森本らはアスピリン内服中の大腿骨近位部骨折16例に対して6日以内に手術を行い非内服患者と比較した結果、術中出血量、輸血を施行した症例数に差は認めなかったと報告している17)。今回の我々の検討でも有害出血などの重篤な合併症を認めなかったことから、高齢者では抗血小板薬休薬による既往症の悪化、待機手術による合併症併発、抗凝固薬との併用による出血などのリスクを考慮すると、術前休薬は必要ないと考えられた。

血栓形成には血小板による血栓(動脈血栓)とフィブリンによる血栓(静脈血栓)があり、それぞれ心筋梗塞・ステント血栓・非心原性脳梗塞とVTE・心原性脳梗塞(Afなど)の原因と言われている。通常、前者には抗血小板薬、後者には抗凝固薬が使用されるが、生体内ではフィブリンや血小板単独でできる血栓は存在せず、凝固系と血小板は常に連動して血栓を形成している18)。ACCP 8thではVTEの予防法としてアスピリンの単独使用は推奨しない(Grade1A)としていたが4)、アスピリン(160mg)を35日間服用する事がVTEの予防になるとした無作為比較試験(PEP trial)の結果をふまえて19)、ACCP 9thではエノキサパリンナトリウム、フォンダパリヌクス等とともにアスピリン(600㎎)の使用を推奨(Grade1B)している6)。さらに血小板薬単剤によるVTEの予防についてはアメリカ整形外科学会(American Academy of Orthopaedic Surgeons;AAOS)は人工関節置換術における肺血栓塞栓症予防のガイドラインで高用量アスピリンが有効と報告し20)、今回の検討でも抗血小板薬服用中の大腿骨近位部骨折高齢患者は休薬せずに早期手術することでVTEの予防が可能と考えられた。本邦ではアスピリンは1錠(100㎎)服用されていることが多いが、血栓・塞栓予防として300㎎まで増量が可能で、今後のさらなる研究が期待される。

今後の少子高齢社会において、医療経済の観点から高齢者へのVTE予防薬の費用対効果も重要な問題と考える。薬価の面ではアスピリン(バイアスピリン100㎎)5.8円、クロピドグレル硫酸塩(プラビックス75㎎)275.8円、ワルファリン9.6円、エンドキサバン(リクシアナ15㎎)397.4円、エノキサパリン(クレキサン2000U)1036円、フォンダパリヌクス(アリクストラ1.5㎎)1545円となっている。2010年、2020年、2030年における大腿骨頚部/転子部骨折予測発生数21)に対して14日間投与したと仮定すると、使用する薬剤で費用格差は莫大なものとなる。今後の少子高齢社会において、高齢者に発生した大腿骨近位部骨折に対するVTEの予防は年齢、抗血小板薬・抗凝固薬休薬と併用のリスク、致死性出血・致死性PTE・重篤な合併症の発生リスクに加えて費用対効果(医療経済と薬価)も考慮することが重要で、我々のプロトコールは費用対効果の観点からも有用と思われた。

結語

  1. 抗血小板薬を内服している高齢者の大腿骨近位部骨折に対する早期手術はVTEの予防に有用である。
  2. 我々が行っているVTE予防プロトコールはVTE・致死性PTE予防と費用対効果の観点から有用である。

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図表説明

図1:当科の高齢者の大腿骨近位部骨折に対するVTE予防プロトコール

図2:大腿骨転子部骨折(a)に対してShort femoral nailを用いて観血的整復固定術(b)を施行した。

図2(a)
図2(b)

図3:大腿骨頚部骨折(a)に対して人工骨頭置換術(b)を施行した。

図3(a)
図3(b)

表1:抗血小板群、ワルファリン群における入院時Hb値および術後1日Hb値低下

表2:抗血小板群、ワルファリン群におけるDVT/PTE発生率

表3:症例2のHb、D-dimer、PT-INRの推移