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壊死性筋膜炎症例

壊死性筋膜炎症例(増井)

症例 49歳、大腿壊死性筋膜炎(培養結果:A群β溶連菌)
来院時症状 膝関節周囲腫脹
検査結果
培養結果:A群β溶連菌
術前写真 1日で大腿近位へ発赤・腫脹が拡大し、さらに反対側(右下腿)に発赤出現
術前MRI
筋膜を主体に、全周性に強い炎症像

A bacterial colonizations is observed in the tissues with erythema which do not fall into necrosis. Miyajima(1997)
Radical debridement and amputation should be sufficient and performed in the major axis direction across the surrounding erythema. MRimages show a wide horizontal extension along the affected fascia and MRI is considered to be a useful guide for aggressive debridement.
術中写真 発赤部分を越えて十分に切開し、コンパートメントは全て開放すると多量の浸出液が流出してくる。十分に洗浄した上で、ドレーンを留置しシューレース法にて縫合する。術中・術後に創部から多量の浸出液が漏出するため、アルブミンを十分に補充する。

ポイント
  1. MRI
    筋膜を中心とした広範な炎症像
  2. 1st デブリドマン
    劇症化する前に、発赤を越えて長軸方向に大きく切開し、コンパートメントは全て開放・洗浄する。
  3. 2ndデブリドマン
    炎症所見が遷延する際は、1週間以内に施行する。
  4. 周術期管理
    大量抗生剤投与、輸血、γグロブリン・アルブミン投与、PMX
別症例