脳神経外科

フローダイバーターステント治療

フローダイバーターステントとは

大型・巨大脳動脈瘤に対する新しい治療デバイスです。
従来、大型の脳動脈瘤はコイル塞栓術による治療を実施しても、数か月~数年すると再発する(再び瘤の中に血液が流れ込むようになる)リスクがやや高いと言われていました。こうした再発の可能性が極めて少ないとされるのがフローダイバーターステント治療です。
フローダイバーターステントは目の細かいメッシュを使用した特殊素材のデバイスで、カテーテルを通じて脳動脈瘤の入り口(ネックと呼びます)を覆うように留置します。これにより脳動脈瘤内の血液が淀むようになり、ゆっくりと血栓化するとともにネック部では新たな内膜の形成が進み、ネックが閉塞されます。ひとたび閉塞されれば再発するリスクが低い点が特徴といえます。


フローダイバーターステント治療のイメージ

メリットとデメリット

メリット

  • 大型の脳動脈瘤の破裂を未然に防げる
  • 治療後の再発率が低い
  • クリッピング術やコイル塞栓術と比較し、動脈瘤により薄くなっている血管壁付近での手術操作が少ないため、術中破裂の危険性が低い

デメリット

  • 脳動脈の血栓化が起こらない可能性がある。血栓化は半年~2年程度の期間でゆっくりと進みますが、確率としては半年後で約75%、1年後で約85%とされています。
  • 治療対象とされる脳動脈瘤は位置や大きさ、形状等の規定があるため、すべての脳動脈瘤に行えるわけではありません。

Q&A

Q
フローダイバーターステント治療は保険適用ですか?
A

公的医療保険が適用されます。また、高額療養費制度の利用も可能です。

Q
入院期間は?
A

7日~10日程度になります。

Q
手技適応の対象は?
A

原則として大型の脳動脈瘤に対する治療であり、すべての脳動脈瘤に適応のある治療法ではありません。当院では患者様の病態等を総合的に勘案して、フローダイバーターステント治療以外にクリッピング術やコイル塞栓術も含めた、より良い治療法を提案、実施します。

平均的な治療費用

70歳以上の方

対象者実際の窓口負担額(食事代込)
現役並み所得者Ⅲ 課税所得
約690万円以上
約¥300,000
Ⅱ 課税所得
約380万円以上
約¥230,000
Ⅰ 課税所得
約145万円以上
約¥140,000
一般課税所得
約145万円未満
約¥80,000
低所得者住民税非課税
(低所得Ⅰ)
約¥60,000
住民税非課税
(低所得Ⅱ)
約¥40,000

70歳未満の方

対象者実際の窓口負担額(食事代込)
区分ア年収約1,160万円以上約¥300,000
区分イ年収約770万円~1,160万円約¥230,000
区分ウ年収約370万円~770万円約¥140,000
区分エ年収約370万円以下約¥80,000
区分オ住民税非課税(低所得Ⅱ)約¥60,000

※入院日数や部屋代により、負担額は変動します。

担当医師

大野晋吾(おおの しんご) 脳神経外科部長


日本脳神経外科学会 専門医・指導医
日本脳卒中学会 専門医・指導医
日本脳神経血管内治療学会 専門医
医学博士

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047-384-8564
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