部門

作業療法(OT)

作業療法(OT)とは

作業療法では日常生活に関わる全ての活動を「作業」と呼びます。
作業療法は、基本的な身体機能の改善、環境の活用、方法の工夫等により、その人らしい生活が送れるよう、その方個人にとって意味のある「作業」の再獲得を目標として実施されます。

当院での作業療法

入院患者様に対する作業療法

患者様の全身状態に合わせて、急性期より支援を開始します。病気、ケガをされた方々は、時に今まで当たり前に行っていた身の回りの事が難しくなります。何が出来るようになりたいか、どの様な練習や工夫をすれば出来る様になるか、対象者の気持ちや考えを伺いながら心身機能の改善や生活行為の自立に向けて支援を行います。
また、退院に向けては家庭環境や病前の生活習慣に合わせた練習を進めていきます。
各職種と情報共有を行い、退院後も安心してその方らしい生活が送れるよう支援します。
入院患者様への作業療法はチーム制をとり、各チーム毎に協力し、業務にあたります。

脳神経外科

対象疾患一例:脳卒中(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血)、急性・慢性硬膜下血腫、脳腫瘍等
急性期及び術後早期より介入し、日々の変化に注意しながら機能障害の改善や生活様式の再構築を図ります。自宅退院の際は、心身機能や高次脳機能障害などを考慮した生活様式の検討や、本人・家族様への指導を行います。

心臓血管外科・循環器内科

対象疾患一例:心不全、大動脈解離、心筋梗塞その他術後合併症等
循環器障害がもたらす、身辺動作への影響を考慮しながら生活行為の再獲得に向けた作業療法を行います。

消化器内科・外科

対象疾患一例:胆のう炎、胆管炎、肝硬変、胃がん、十二指腸潰瘍等
精神機能や生活習慣、価値観等へ配慮しつつ、その方らしい生活様式の再構築を目指します。術後廃用症候群の予防や日常生活動作の自立・社会復帰への援助を行います。またがん患者・家族に対し、その人らしさに焦点をあてることで、精神的苦痛や身体的苦痛を和らげる等の支援(緩和ケア)を行っていきます。

内科
対象疾患一例:肺炎(呼吸器内科)、ギランバレー症候群(神経内科)、多発性骨髄腫(腫瘍内科)等 内部疾患全般
関わる疾患が多岐に渡るため、呼吸、循環等、全身状態について考慮しながら生活背景等を踏まえ、他職種と連携を図りながら介入を進めます。
退院支援においては医師・看護師・ソーシャルワーカー等他職種と連携し支援しています。生活行為をご自身で円滑に行えるよう、自助具や補助具等の検討及び選定を行います。
整形外科

対象疾患一例:上腕骨近位端骨折、橈骨遠位端骨折、肘頭骨折、大腿骨頸部骨折等
術後翌日より介入し、外来リハビリへと移行していきます。多発骨折や、ADLに支障をきたし直接自宅へ帰る事が難しい方を対象に介入しています。

外来・訪問による作業療法

成人

対象疾患一例:上腕骨近位端骨折、橈骨遠位端骨折等の整形疾患・中枢疾患

入院後、外来へ移行する患者様を中心に行っています。訓練と共にセルフトレーニングや動作指導を行い、自宅での生活動作の再構築を図ります。

小児

対象疾患一例:脳性麻痺、ダウン症候群、自閉症スペクトラム症等

遊びを中心とした活動を通じて、お子様の身体的・精神的な発達を促します。遊び、自助具、環境調整等を用いて、生活の中で出来る活動を増やしていくことを目的に支援を行います。学校生活や日常生活動作上の適応に関するご相談も受けています。

訪問

住環境やライフスタイルは多種多様であり、その家に住むすべての人が安心・安全に過ごせるよう、福祉用具の選定や環境調整を行います。 また院内スタッフと連携を図り、退院直後より訪問リハビリへつなげ、継続的なサービスを提供しています。

働いている作業療法士(OT)の声

OTとしての技術も必要ですが、病態に合わせてリハビリを進めていく必要があるため疾患の知識も重要です。
とてもやりがいがあり、楽しくリハビリを行っています!

試行錯誤の末、良い結果が得られた際に患者様の笑顔や「ありがとう」という言葉を聞くと意欲が湧いてきます。
その方らしい生活の獲得や、職場復帰への手助けが出来る事に、日々喜びを感じています!