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大腿骨転子下骨折、脛骨近位端関節内骨折、上腕骨近位端骨折症例

大腿骨転子下骨折、脛骨近位端関節内骨折、上腕骨近位端骨折症例(増井)

症例大腿骨転子下骨折(Seinsheimer&Bergman分類 Kyle typeⅢ)、脛骨近位端関節内骨折、上腕骨近位端骨折症例
術前レントゲン
3DCT


1st stage:入院時Hb6.6g/dl、大腿部に著しい腫脹
創外固定術
  *出血量:少量
  *手術時間: 1時間

2nd stage
  *大腿骨転子部・下粉砕骨折
  • 逆斜骨折:せん断力、内側に圧迫力、外側に伸張力
  • 近位骨片:屈曲転位
  • 不安定性:medial supportの損傷
  • 強い応力に耐えられる内固定材:近位スクリュー挿入部に応力集中
  • SFN:大転子部の固定が出来ない
  • PFN (近位17mm、遠位10mm、長さ340mm)使用
  • 大転子骨折・転子下骨折第3骨片:Butress plating(Synthes olecranon plate)/wiring
術中イメージ
転子下骨折部をファイバーワイヤーで仮締結後に、髄内釘が挿入しやすい様に近位骨片を可及的に剥離

近位骨片を整復しながらリーミング後に、髄内釘を挿入

髄外・髄外に整復、内側がコンタクトするように整復した後に、ガイドピン・ラグスクリューを挿入。
oleclanon plateを髄内釘挿入皮切部から挿入、バットレスプレートとして大腿骨外側部にあてがいワイヤー締結し、大転子も整復固定。

*脛骨近位端関節内骨折
・関節面の解剖学的整復固定
・内/外側colum再建:Butress plating
・顆間隆起骨折:pull out(ファイバーワイヤー)
術中イメージ
ポイント
  • 1st stage surgery:創外固定
  • 2nd stage surgery:軟部組織改善後の手術
    不安定性:medial supportの損傷
    強い応力に耐えられる内固定材(髄内釘:近位17mm、遠位10mm、長さ340mm)
    lateral wall損傷:Butress plating(Synthes olecranon plate)/wiring
術直後レントゲン
術中・後経過
  • 手術時間:5時間20分(大腿骨:3時間)
  • 術後2日可動域訓練、3日車いす
  • 術後3週1/3荷重、6週全荷重
術後4週レントゲン
ポイント*大腿骨転子下骨折(Seinsheimer&Bergman分類 Kyle typeⅢ)
  • 転子下逆斜骨折
  • 強い応力に耐えられる内固定材
  • SFN:大転子部の固定が出来ない
  • 最大径のPFNA(近位17mm、遠位10mm、長さ340mm)使用
  • 大転子骨折:Butress plating(Synthes社製olecranon plate)/wiring
  • 問題点:ワイヤリングによる血流障害
*脛骨近位端関節内骨折
  • 関節面の解剖学的整復固定
  • 内/外側colum再建:Butress plating
  • 顆間隆起骨折:pull out(ファイバーワイヤー)
術後8週CT:全荷重歩行