外科

胃がん

胃がんとは

胃がん(いがん)とは胃に発生するがんのこと。大腸がんや食道がんと同様で粘膜から発生します。

胃がんの組織型分類

  • 腺がん: 胃がんの大部分を占める標準的なタイプです。
  • スキルス胃がん: 全体の約10%を占め、粘膜の下を這うように広がるのが特徴です。進行が速く、腹膜播種を起こしやすいため、専門的な治療が必要です。

胃がんの最大の原因は「ヘリコバクター・ピロリ菌」の感染と言われています。その他、喫煙、塩分の摂りすぎ、過度な飲酒などの生活習慣も影響します。 年齢別では、40代後半から罹患率が上がり始め、高齢になるほどリスクが高まる傾向にあります。

症状

早期の段階では自覚症状はほぼありません。かなり進行しても症状のない方もいます。

代表的な症状

  • 胃の痛み、不快感、違和感
  • 食べ物がつかえる
  • 胸焼け、胃がもたれる
  • 吐き気
  • 体重減少

検査

胃がんの検査は、がんかどうかを確定するための検査と確定された後に行う進行度を判断するための検査があります。まず確定するための検査としては内視鏡(胃カメラ)で直接病変を観察する内視鏡検査が行われます。内視鏡で異常がみられる場合は組織を採取し、顕微鏡で観察する生検を行い診断が確定されます。

進行度を判断するための検査では、造影CT検査MRI検査などを組み合わせて、がんの深さやリンパ節および周辺臓器への転移がないかを診断します。

内視鏡(胃カメラ)画像

治療

がんの切除が可能な場合は内視鏡治療(胃カメラによる切除)か外科手術となります。がんが粘膜内にとどまっている早期の段階であれば内視鏡治療が適応となります。より進行した場合は外科的手術を行います。さらに術前、術後の化学療法(抗がん剤治療)や免疫チェックポイント阻害薬を用いる免疫療法を実施する場合があります。

がんの治療は進行の程度を示すステージ(病期)に基づいて検討されます。胃がんのステージはがんの深さ、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無などからなるTMN分類の組み合わせで決定されます。

内視鏡的切除

口から挿入したスコープ(カメラ)でがんのある部位を切除します。おなかを切ることがないため、術後の痛みがほぼなく、入院期間も短かく済みます。がんが粘膜内にとどまっている場合のみ適応があり、それよりも進行している場合は手術をはじめとした他の治療が行われます。

ビデオスコープ

手術による切除

がんのある部位を切除して繋ぐ(吻合)手術です。腹腔鏡手術が主流となっています。昨今では、手術支援ロボットを使用するロボット支援下手術(ロボット手術)も実施されています。がんの部位や進行度、周囲の臓器への浸潤があるかなどにより、様々な術式が用いられますが、がんの根治(がんをとりきる)を前提としたうえで、なるべく患者様の身体に負担が軽い手術が行われます。

主な胃切除術式
手術支援ロボット Davinci Xi(ダヴィンチXi)
DavinciXi(ペイシェントカート)
術中画像(ダビンチ手術)

切除の様子

吻合後

ICG(インドシアニングリーン)蛍光法

当院ではICG(インドシアニングリーン)と呼ばれる特殊な薬剤を使用する手術を実施しています。ICGは血液中のタンパク質と結合する性質があり、特別なカメラを通して見ると緑色に光ります。肉眼では見えにくい情報を可視化することで、より正確に腫瘍やリンパ節の位置または範囲を確認し、精緻で確実な手術を実施しています。これにより合併症リスクの低減や、一層の低侵襲化を図っています。

 class= ICGによる蛍光発色の様子

化学療法

化学療法のみでの根治は難しく、次にあげる目的で実施されます。

  • 術後補助化学療法:術後の再発を防ぐ目的で行います
  • 術前化学療法:手術でがんが取り切れる可能性を高める、微細な転移がんの縮小などを目的として行われる場合があります
  • 切除できない場合の化学療法:広がりが大きく手術ではがんをとりきることが難しい場合や再発がんに対して行います。
術前化学療法の治療例

治療前

治療後

免疫療法

免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマム(製品名:オプジーボ)を用いた治療が行われる場合があります。

よくある質問と回答

Q
胃がんは完治を目指せる病気ですか?
A

早期に発見できれば完治を目指せます。

はい、早期に発見できれば完治の可能性が非常に高いがんです。ステージIであれば9割以上の方が治ります。一方で、進行してから発見されると治療が難しくなるため、定期的な検査(内視鏡検査)が最も重要です。

Q
自覚症状はありますか?
A

早期の段階での症状はほぼありません。

早期胃がんには特有の前兆がほとんどありません。胃痛や胸焼けを感じることもありますが、これらは胃炎や胃潰瘍でも起こる症状です。「なんとなく胃が重い」「食欲がない」といった些細な変化が続く場合は、早めに内視鏡検査を受けることをお勧めします。

Q
手術後の生活で気をつけることはありますか?
A

胃の切除手術を受けた方は、一度に食べられる量が減ったり、ダンピング症候群(めまい、動悸など)が起きたりすることがあります。当院では、看護師や管理栄養士が、分割食の進め方や日常生活の注意点を詳しく指導し、退院後の生活をしっかりサポートしています。

当科の胃がん治療の特長

当科胃がん治療の7つの特長

1.専門医によるチーム医療

がんセンター出身の経験豊富な医師がチームを組んで治療を担当しています。

2.専門資格保有医師による対応

日本内視鏡外科学会の技術認定を取得した医師による診療を行います。

3.ロボット支援手術

ほぼ全例を体への負担が軽い腹腔鏡手術またはロボット支援手術(ロボット手術)にて治療を行っています。

4.術前化学療法で進行がんにも根治を目指す

進行したがんに対しては、根治を目指し、術前化学療法を積極的に導入しています。

5.胃を温存する機能重視の手術

手術においては出来る限り胃を温存するように心がけています。

6.全国平均以下の縫合不全率、優れた手術成績

縫合不全の発生率が全国平均よりも低く、良好な成績をあげています。

7.難しい症例にも慎重かつ積極的に対応

当院は心臓病患者様の診療を数多く行っているため血液サラサラのお薬を飲んでいる方が数多くおいでです。また、ご高齢な方も多く、そうした患者様に対する手術の経験を豊富に有しています。施設によっては手術が難しいと判断される症例でも、慎重な検討を加えたうえで、できる限り積極的な治療を行っています。

担当医師

山崎 信義 外科副部長

日本外科学会 専門医・指導医
日本消化器外科学会 専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医
日本大腸肛門病学会 専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会 専門医
日本消化器病学会 専門医・指導医
日本消化管学会 胃腸科専門医
日本内視鏡外科学会 技術認定証(消化器・一般外科)
日本消化器がん検診学会 認定医
日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会 ストーマ認定医
日本ロボット外科学会 Robo-Doc Pilot認定 国内B級
日本がん治療認定医機構 認定医
医学博士

小林 亮介 外科医長

日本外科学会 専門医
日本肝胆膵外科学会 高度技能専門医・評議員
日本消化器外科学会 専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医
日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医
日本食道学会 食道科認定医
日本膵臓学会 指導医
日本内視鏡外科学会 技術認定証(消化器・一般外科)
日本がん治療認定医機構 認定医

佐藤 学 外科医師

日本外科学会 専門医・指導医
日本消化器外科学会 専門医・指導医
日本消化器病学会 専門医・指導医
日本がん治療認定医機構 認定医
日本腹部救急医学会 認定医
検診マンモグラフィ読影認定医

鈴木 文武 外科医師

日本外科学会 専門医・指導医
日本消化器外科学会 専門医・指導医・消化器がん外科治療認定医
日本肝胆膵外科学会 高度技能専門医

浅井 大智 外科医師

日本外科学会 専門医
da Vinci Surgical System 助手認定取得
日本DMAT隊員資格

三ノ宮 優太 外科医師

日本外科学会 専門医
日本消化器外科学会 専門医

冨田 直宏 外科医師

林 和貴 外科医師

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047-384-8564
月~金曜日 8:30-17:00/土曜日 8:30-12:30