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上腕骨遠位病的骨折・乳がん症例

上腕骨遠位病的骨折・乳がん症例(増井)

症例 81歳、女性
術前レントゲン・CT像
上腕骨遠位端に骨破壊像と病的骨折を認め、腫瘍近位端は関節面から46mmである。
術前レントゲンMRI 上腕骨遠位端に骨破壊像と病的骨折を認める。
術前プラン *保存治療(装具療法(骨癒合は期待しない)+放射線照射・薬物療法:抗RANKL抗体)
*手術療法
 ・拡大掻爬術+Double plating+セメント充填:固定不良/転位のリスク
 ・辺縁切除術+TEA:手術時間短時間/機能が良い
*術後放射線照射
*薬物療法:抗RANKL抗体(ランマーク)


術前プラン 手術時間:2時間13分
出血量:190ml
後療法:術後1日から痛みに応じて自他動運動



インプラント選択:腫瘍用人工肘関節は骨切除量(関節軸から80㎜、腫瘍近位から健常部を44㎜切除)が大きく、髄腔が7.9mmと細いため使用できず、通常の人工関節を使用した。ステム径が細く、上肢長を維持して再建するとステム折損リスクがあるためステムフィンを髄腔内に軽度陥入させるように上肢を短縮してステムを固定した。
術後レントゲン

HMRS
部位 最短骨切除量 最小ステム径
上腕骨近位 90 mm 9 mm
上腕骨遠位 87 mm 9 mm
大腿骨近位 120 mm 11 mm
大腿骨遠位 120 mm 11 mm
脛骨近位 120 mm 11 mm