唾液腺がん
唾液腺がんについて
唾液(つば)をつくる組織である唾液腺にできる悪性腫瘍を唾液腺がんと呼びます。唾液腺は大きく小唾液腺と大唾液腺に分類されます。大唾液腺はさらに耳下腺(じかせん)、顎下腺(がっかせん)、舌下腺(ぜっかせん)に分かれます。唾液腺がんは耳下腺がんと顎下腺がんが大半を占めます。以下は耳下腺がんを中心に解説します。
大唾液腺の位置

症状
耳の下部、耳の前部に発生する腫れ、しこり。大半は痛みを感じませんが、まれに痛みを伴います。目が閉じにくい、うまく喋れない、水を飲むとこぼれてしまうなどの顔面神経麻痺。顎下腺がん、舌下腺がんでは、それぞれ顎の下部、舌の下付近に腫れ、しこりが発生する場合があります。初期の症状として首のリンパ節に固いしこりができることもあります。
検査
まず視診、触診を行います。そのうえで唾液腺がんが疑われる場合は注射針にて病変部の組織を採取し病理検査を行い、がん細胞の有無や種類を調べます。(穿刺吸引細胞診)また、がんの大きさやリンパ節転移の有無、遠隔転移の有無を確認するためにCT、MRI、超音波(エコー)検査 、PET/CT検査などを行う場合があります。
治療
外科手術による病変部の切除が第一選択となります。術後の検査の結果により術後化学放射線療法を行う場合があります。唾液腺がんは病変が顔面神経と隣接するため、手術にあたっては神経の処理が重要となります。原則としてなるべく残すようにしますが、神経への浸潤がある場合など切除せざるを得ないこともあります。
手術による切除範囲が大きい場合は欠損した部分に対する再建手術を行う場合があります。患者様ご自身の組織を使用して機能や整容面の回復を図ります。
当センターの唾液腺がん治療の特長
当センターの唾液腺がん治療の特長は以下の通りです
- 年間約300件の頭頸部手術を手掛けてきた経験豊富なチームが治療を担当します。
- 当院はがんの3大治療(手術療法、薬物療法、放射線治療)がすべて行える施設です。
- 当院は心臓病患者様の診療を数多く行っているため血液サラサラのお薬を飲んでいる方が数多くおいでです。また、ご高齢な方も多く、そうした患者様に対する手術の経験を豊富に有しています。施設によっては手術が難しいと判断される症例でも、慎重な検討を加えたうえで、できる限り積極的な治療を行っています。
担当医師

増淵 達夫 頭頸部腫瘍センター長・頭頸部外科部長
日本頭頸部外科学会 頭頸部がん専門医・指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本頭頸部外科学会 頭頸部アルミノックス治療指導医
日本耳鼻咽喉科学会認定 耳鼻咽喉科専門研修指導医・耳鼻咽喉科専門医
The Best Doctors in Japan 2021-2025
医学博士
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患者様
当院頭頸部外科外来にお越しください。完全予約制となりますので、事前にお電話にて診療予約をお願いします。


頭頸部外科外来 | 火曜日、水曜日、土曜日(祝日除く) |
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※現在アネックス館2階仮ブースにて外来を実施しております。2025年夏の本館頭頸部腫瘍センター設備オープン以降は外来体制を拡充する予定です。
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