症例 |
肺がん、脛骨近位骨端~骨幹部病的骨折、他に転移なし 57歳、男性 |
術前単純レントゲン |
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術前単純CT |
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術前MRI |



腫瘍の広がり
- 前方:前脛骨筋まで浸潤
- 後方:ヒラメ筋まで浸潤、後脛骨動静脈に近接
- 外側:腓骨動脈/腓骨神経に近接
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患者背景 |
- 1年前に他院で肺がん切除/脛骨近位骨端~骨幹部病的骨折/他の転移巣なし
- 術後抗がん剤治療予定
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手術計画 |
- 大腿切断
- 辺縁切除+腫瘍用人工関節置換術+術後放射線照射
大腿切断を勧めたが、硬く拒否。肺がん骨転移ということもあり、辺縁切除+腫瘍用人工関節置換術+術後放射線照射施行。
- 腫瘍用下肢再建システム:腫瘍用人工膝関節(GMRS)を用いて再建
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手術 |
脛骨近位骨端~骨幹部辺縁切除+腫瘍用人工膝関節置換術(GMRS)
長いPayerの皮切で進入
正常組織を2cmほどつけて脛骨遠位を切離、脛骨近位を展開し、内側側副靭帯/関節包/ACL・PCLを切離後に脛骨を外旋しながら脱臼させつつ後方を展開する。
一塊として切除後に腫瘍用人工関節(GMRS)で膝関節を再建
Leeds Keio人工靭帯を腫瘍用人工膝関節/脛骨に締結する。
Leeds Keio人工靭帯と膝蓋腱を縫合する。
腓腹筋内側頭を大腿骨から切離し、前方へ移動する。
前方に移動した腓腹筋内側頭とLeeds Keio人工靭帯/膝蓋腱を縫合する。
鷲足/半膜様筋を内側関節包に縫合、人工関節を覆う。
腓腹筋内側頭と前方の伸筋群で腫瘍用人工膝関節/脛骨を覆う。
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術後単純レントゲン |
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術中・後経過 |
- 手術時間:3時間11分
- 出血量:475ml
- 術後リハビリ:術後2日可動域訓練、術後1週歩行訓練、可動域:0/120度
- 術後放射線照射(40Gy)
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