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両踵骨粉砕骨折、橈骨下端粉砕骨折症例

両踵骨粉砕骨折、橈骨下端粉砕骨折症例(増井)

症 例54歳、女性
左橈骨下端粉砕骨折、両側踵骨粉砕骨折、胸椎圧迫骨折
術前レントゲン

橈骨遠位端粉砕陥没骨折を認め、掌側骨皮質の骨折は軽度で関節面だけが著しく陥没している。

左踵骨粉砕骨折を認め、関節面は著しく陥没している。
治療計画
  • 短時間の手術
  • 橈骨遠位端骨折(関節面近傍での骨折):遠位スクリュー設置のLCP、人工骨移植術
  • 踵骨粉砕骨折:小皮切で整復固定、経皮的スクリュー固定、抗生剤混入人工骨移植術
術後レントゲン
遠位設置のLCPにて固定し、さらに人工骨移植術(低気孔率のβ-TCP使用)を施行した。

踵骨の関節面・横径・高さの整復を可及的に行い、経皮的スクリュー固定、抗生剤混入人工骨移植術を施行した。
術中・後経過
  • 血量:120ml
  • 術時間:4時間30分(直列手術にて)
  • ハビリ:術後2日可動域訓練、4週車いす(胸椎圧迫骨折のため)、6週装具装着下歩行訓練
ポイント
  • 緻密な術前プラン
  • 清潔操作
  • 皮膚壊死(踵骨骨折):手術時間短縮、未タニケット、最小限の皮膚剥離
  • 踵骨粉砕骨折:関節面・横径・高さの整復、MIPO、抗生剤混入人工骨移植術(初期強度が高いα-TCP使用)
  • 感染防止のため人工骨に抗生剤を混入
  • 橈骨遠位端骨折(関節面近傍での骨折):遠位スクリュー設置のLCP、人工骨移植術(低気孔率のβーTCP使用)