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大腿骨骨折術後再骨折・髄内釘折損症例

大腿骨骨折術後再骨折・髄内釘折損症例(増井)

症 例47歳、女性
右大腿骨骨幹部に乳癌の単発の転移性骨腫瘍を認め、都内大学病院で手術を施行術後2年時に病的骨折および髄内釘折損を認めたため当科紹介となる。
既往歴・家族歴乳癌、人工透析中
前医術前後のレントゲン
再骨折・髄内釘折損時のレントゲン・CT
治療計画
  • 人工骨頭置換術(末梢スクリュー固定、ブラスト加工)
  • 近位筋が付着した骨を温存
術後レントゲン
術中・後経過
  • 出血量:796ml
  • 手術時間:4時間10分
  • 術後5か月の現在、杖なし歩行中
ポイント
  • 緻密な術前プラン(切除縁の設定)
  • 放射線照射による骨折部の骨壊死
  • インプラント、軟部再建の選択
  • 長期にわたり安定した固定が得られる機種選択
  • (末梢のスクリュー固定とブラスト加工部位のbone ongrowth)
  • 近位筋が付着した骨を温存し、筋肉の生理的なレバーアーム、筋力を維持
  • 清潔操作
  • 短時間での手術
  • 術中の確実な止血