産婦人科

卵巣嚢腫

卵巣嚢腫とは

卵巣の中にできる腫瘍で、良性かつ内容物のある袋(嚢胞)のような形をしたものを卵巣嚢腫と言います。悪性との鑑別が難しいものや、極まれですが悪性化するものもあります。
小さいもので症状がなければ定期的な検診で経過観察を行う場合もありますが、自然に消滅することはなく、原則としては適切なタイミングで手術をはじめとした治療が必要となります。

症状

小さいものでは自覚症状のない場合がほとんどです。大きくなっていくに伴い、お腹が張る、下腹部の痛み、腰痛、便秘、おしっこが近くなる(頻尿)といった症状が現われます。その他、袋が破裂したり、腫瘍がねじれてしまう(茎捻転)ことで急激な強い下腹部痛や嘔吐が発生し、緊急手術が必要となることもありますが、頻度は高くありません。

種類

卵巣子宮内膜性嚢胞(チョコレート嚢胞)

本来子宮の内側を覆う組織である子宮内膜が卵巣に発生し、月経を起こすことで、排出されない月経血が溜まったものです。

皮様嚢腫、類皮嚢腫

受精を伴わない卵子の細胞分裂により、皮膚や毛髪、歯などの成分が生成され固まって腫瘍化したもの。

漿液性嚢胞腺腫、粘液性嚢胞腺腫

水分や粘液が溜まって出来るもの。

その他

検査について

主として問診、内診、超音波検査を行います。
その他必要に応じて、MRI検査、血液検査(腫瘍マーカー測定)等を追加する場合があります。
卵巣の腫瘍は良性・悪性の鑑別がきわめて重要となるため、医師は検査の結果を総合的に検討し、慎重な診断を行います。ただし、その診断精度には限界があり、確定診断を下すには手術により摘出した腫瘍を病理組織検査する他ありません。

通常、内診による痛みはほぼありませんが、当然ながら緊張をされるかと思います。検査中に痛みやご不安があれば遠慮なく医師、看護師にお伝えください。

治療について

小さいもので症状がなければ定期的な検診で経過観察を行う場合もありますが、原則として手術治療が必要となります。
症状の有無や治療後の妊娠の希望によって、対処の仕方(治療法)は変わってきます。
手術では卵巣嚢腫だけを切除(核出)する卵巣嚢腫核出術、卵巣と卵管を同時に切除する付属器切除術があります。
当院では、個々の患者様が十分にご納得のいく選択をしていただけるよう、丁寧なご説明とサポートを心掛けています。

当院の婦人科手術の特色

当院の婦人科手術は、可能な限り患者様の体の負担が軽く、回復も早い低侵襲手術(ダビンチ手術、腹腔鏡手術、子宮鏡下手術))で行われています。

該当する症状があり診察をご希望の場合は、月~土曜日午前の婦人科外来を受診ください。初診は予約なしで受診いただけます。