当院について

院長挨拶

「他に人がいないから、院長やってくれないか?」という前理事長からの連絡が、突如私の携帯にかかってきたのが、2004年7月末の暑い夏の日のことでした。「いやいや、私は単なる臨床家で、数年後、状況によっては医師免許や専門医資格のある米国で最先端医療をやってみたいという希望もあり、そもそも病院経営は素人なのでお断りします。是非とも院長になりたい、という候補者は星の数ほどいるでしょう?」とお断りしました。しかし「自分の経験上、院長をやらせてくれ、と自薦する人物を院長にしてもうまくいった例はなかった。むしろ逆に黙って地道に臨床をやってきた人間の方が院長に向いている。自分も含め、最初は誰でも素人なので心配するな、一年でいいから頼む。」と譲りません。結局押し問答の末、一年だけという約束で院長を引き受けました。経営的な事は全て事務長に任せておけばいい、とは言われましたが、結局最終責任は私ですし、医療機関の管理責任者として都道府県に届け出るわけですから、病院の経営のみならず、院内で起こった事全ての事案の最終責任は私、ということになります。

三角院長

院長になってみると、決裁承認する書類の多さにまず驚きました。又、押印が必要なものも半端なく多い。医療は、患者様の生命を守る事が第一で、利益優先ではありませんが、経営に無頓着で病院自体立ち行かなくなると、結局迷惑を被るのは患者様ですので、経営は堅実に行っていかなければなりません。ただ経営面をみると言っても、まず専門用語を知らなければなりません。医業収入、医業費用、医業利益、税引前利益、医業外収入、損益計算書、貸借対照表、人件費比率、医療消耗品費比率、自己資本比率、日当円、等々。専門の心臓カテーテル治療の器具ならすぐに覚えられますが、全く畑が違います。高校時代、数学Ⅲや力学、電気、有機化学が好きだった私が、苦手だった古文や地学を勉強するようなものです。それでも日常診療の傍ら、人に聞いたり本を見たりしながら経営も勉強してきました。世間で言うカリスマ経営者にはほど遠く、足元にも及びませんが、優秀な事務方の協力もあり、院長就任以来14年間で業績を地道に伸ばすことができ、職員一人当たりの医業収入、医業利益は幸いグループ内3位以内に留まっています。そのため1年だけという約束はなかったことになってしまいました。

20年前の当院は規模も小さく研修医も皆無でしたが、現在は680床、職員1,500名、32診療科をもつ大規模総合病院となり、20名以上の臨床研修医の教育も担っています。私が担当し、国内外から多数の患者が来られる循環器科や関連する心臓血管外科が何かと目立つかも知れませんが、消化器内科、消化器外科、脳神経外科、乳腺外科、形成外科、泌尿器科などの充実ぶりが近年顕著で、 地域の医療需要の高い小児科、産婦人科、呼吸器内科、神経内科も堅実な運営を心がけています。

各診療科の先生方は皆意欲的で、診療だけでなく啓蒙活動として医療講演を積極的に行っています。私自身昨年遂に還暦を迎えましたが、実質定年のない形で、身体と頭が機能する限りこれからも医療を続けていきたい、と考えています。

院長 三角和雄

時事メディカル掲載記事もご覧ください

心臓カテーテルのトップランナー―三角和雄氏

  • 第1回)にわか仕立ての名前「和雄」 つらい入院、夢のきっかけに
  • 第2回)「縁ある所に行くもんだ」 運命変えた受験、上京へ
  • 第3回)趣味の将棋で「考える力」 東京でカルチャーショック
  • 第4回)米国研修で心臓カテーテル 循環器に進路変更、再渡航狙う
  • 第5回)研修で人種差別経験 実力とタフさで乗り切る
  • 第6回)心臓カテーテルの難関究める ロータブレーターで世界トップクラス
  • 第7回)米ハワイで循環器開業医に 日本と異なる働き方
  • 第8回)帰国後の勤務先、設備で決定 研修医いない状態にがく然
  • 第9回)研修医一本釣り、毎日勧誘 強い抵抗、院内に亀裂も
  • 第10回)カテーテルスタジオは「宇宙船」 4つの手術を同時進行
  • 第11回)スーパースターは要らない 当たり前のことを普通に
  • 第12回)必要なのは腕「ラーメン店と同じ」 患者へ情報提供、携帯番号も
  • 第13回)患者教育もライフワーク スピーディーな対応心掛ける
  • 最終回)不思議なほど折れない心 ブランド物に興味なし

院長略歴

三角 和雄 略歴

昭和32年 11月 大阪市生まれ
昭和57年 東京医科歯科大学医学部卒
卒業時、長尾優学術奨励賞(金時計)受賞
同年、東京医科歯科大学医学部第三内科入局
昭和60年 渡米。イリノイ大学シカゴ校にて心臓血管病理を研究後、ニューヨーク医科大学、カリフォルニア大学、ピッツバーグ大学にて内科レジデント研修、循環器臨床フェロー研修終了。UCLAグッド・サマリタン病院にて2年半の心血管カテーテル治療専門フェロー研修終了。
平成8年〜 ハワイ大学臨床助教授
平成10年〜 千葉西総合病院心臓センター長・研修委員長
平成12〜16年 同 副院長
平成15〜29年 東京医科歯科大学臨床教授
平成16年〜 千葉西総合病院 病院長
平成29年〜令和2年 東京医科歯科大学特命教授東京医科歯科大学特命教授

資格

  • 医学博士
  • 米国内科学会専門医正会員
  • 米国心臓病学会専門医正会員
  • 日本内科学会専門医評議員
  • 日本循環器学会専門医
  • 日本心血管インターベンション治療学会 心血管カテーテル治療専門医・施設代表医
  • 日本冠疾患学会評議員
  • 日本老年病学会専門医
  • 日本国医師免許
  • 米国カリフォルニア州医師免許
  • 米国ハワイ州医師免許
  • 紺綬褒章
  • ベストドクターズ(The Best Doctors in Japan™ 2004-2005/2006-2007/2010-2011/2012-2013/2014-2015)に選出

趣味

  • スキューバダイビング
  • 将棋(6段)
  • 筋肉トレーニング(体脂肪率16%)