呼吸器外科

専門外来・治療

治療内容

原発性肺がん

診断は呼吸器内科と連携し、気管支鏡検査や針生検、胸腔鏡下生検を行っています。またPET検査でリンパ節やほかの臓器への転移があるかどうかをチェックします。

治療は、手術・抗がん剤・放射線治療を組み合わせた集学的治療を行っています。

手術は従来の開胸手術、胸腔鏡手術のどちらも行っており、がんの進行度や患者さんの状態に合わせて選択しています。手術後の入院期間は、開胸手術・胸腔鏡手術とも5-7日程度です。

手術でとった肺とリンパ節を病理検査で調べた結果によっては、手術後に抗癌剤治療を提案することもあります。これらは全てガイドラインにのっとった治療を採用しています。

手術では全部取り切れない進行した肺がんには、抗癌剤や放射線治療を行います。がん細胞の遺伝子検査や免疫染色を行い、適応のある患者さんには分子標的治療や免疫療法も行っています。

癌の進行や治療に伴って出てくる症状に対しては、緩和医療を積極的に取り入れています。

転移性肺腫瘍

さまざまな臓器のがんが血液やリンパ液の流れに乗って肺に転移してくることがあります。治療方針はもともとのがんの種類によって異なりますが、手術でとるのも一つの治療法です。

手術の対象となるがんは、大腸がんが最も多く、次いで腎がんや頭頚部がん、乳がん、子宮がんなどです。

縦隔腫瘍

最も多いのは、心臓の前のほうにできる胸腺腫です。ゆっくりと進行し、あまり症状が出ないため、健康診断で発見されることも多い病気です。進行すると周りの肺や心臓血管にも入りこむことがあるため、早めの手術が必要になります。重症筋無力症に合併することもあります。

その他さまざまな腫瘍が心臓の前方や背骨の近くなどにできることがあり、良性のものの悪性のものもあります。手術前に正確な診断をつけることが難しいため、診断と治療をかねて手術を行います。

胸膜中皮腫

肺や心臓、胸壁などを包む膜(胸膜)にできる悪性の腫瘍です。アスベストの吸入と深い関連があると言われています。進行が速いため、迅速な診断・治療を心がけています。治療は進行度によって手術や放射線、抗がん剤を行います。

気胸

若い男性に起こりやすい原発性自然気胸と、肺気腫や間質性肺炎などの肺の病気がある人に起こる続発性気胸があります。原発性自然気胸は、ほとんどの症例で胸腔鏡手術が可能であり、手術後2日程度で退院となります。

ドレーン挿入、手術、胸膜癒着術等の治療を行っています。また月経随伴性気胸などの特殊な気胸にも対応しています。

膿胸

胸膜に菌が感染し、膿がたまる病気です。急性のものでは、肺炎や胸部の手術に引き続いて起こります。慢性膿胸は、前にかかった結核が悪化したり、急性膿胸の治療が不十分で慢性に移行して起こることがあります。どちらも早めに手術で膿を外に出して洗浄することにより、重症になる前に治り入院期間を短縮することができますので、積極的な治療を行っています。

その他

交通事故等の外傷の治療、胸部異常陰影に対する各種診断を行っています。