循環器内科

実績

循環器内科の実績

当院循環器内科の活動状況を簡単に紹介差し上げたいと存じます。循環器内科では、循環器疾患のエキスパートが多数在籍しており、極めて充実した診療体制が組まれております。特筆すべき点として、

  1. 心臓血管外科と一体となって機能しているため、内科外科という診療科の垣根に制限されることなく、円滑かつ効率よく高度な循環器最新医療に取り組むことができること。
  2. 24時間常時、専門医が循環器救急に対応すべく待機しており、地域の医療機関からの受け入れ体制が万全であること。
  3. 虚血性心疾患、狭心症、心不全、弁膜症、不整脈、川崎病をはじめ多種多様な循環器全領域に及ぶ診断から治療が専門医により一貫して行われること。

などの特徴を上げることができます。
診療活動の一端は、心臓カテ−テル検査そして冠動脈インターベンションの件数にも反映されており、2019年1月1日〜12月31日までの集計では、

① 総PCI(冠動脈カテーテル治療)数 3,106件

A.緊急PCI数 668件
B.待機的PCI数 2,438件
C.慢性完全閉塞病変(CTO)治療数 111件
D.薬剤溶出性ステント使用数 2,330本
E.アテレクトミー(ロータブレーター、エキシマレーザー)件数 228件
F.FFR/CFR 1,119件
② 末梢動脈疾患(PAD)に対するカテーテル治療(PTA又はPPI)数 328件
③ 頸動脈ステント留置術(CAS)数 32件
④ 腎動脈ステント留置術(PTRA)数 4件
⑤ 不整脈に対する心筋焼灼術カテーテル
アブレーション(ABL)数
334件
心房細動:253件
⑥ 致死性不整脈に対する埋込型除細動器(ICD)治療数 28件
⑦ 心不全に対するペーシング治療(CRT)数 28件
⑧ ラジオアイソトープ(RI)数 4,441件
⑨ 心エコー検査件数 29,822件

となっております。尚、当院のPCIは、他病院でも困難と言われた難易度の高い症例を多数含んでいます。

とりわけ、ロータブレーター(Rotablator)と高出力レーザーを用いた手術については、全国から多数の患者さんが来院され、治療を受けられています。

さらに年間約500例近くの急性心筋梗塞症例の紹介搬送を受け入れており、24時間対応の心臓カテーテル室をフル駆動させ、PTCAによる迅速かつ確実な血行再建、ICU管理、そして回復、社会復帰に至るまでの徹底した治療が進められています。重症心不全症例についてもICUにおける血行動態のモニターの下、的確な薬物治療により、時には体外心肺補助循環装置を用いた循環補助を加えることにより、救命、回復に至った症例を多数経験しております。これらのup-to-dateで積極的なアプローチは、新進気鋭かつ優秀な心臓血管外科スタッフとの強力な連携により、初めて可能になっていることが強調されます。

最近は、再狭窄(1回拡げた血管が、もう一度狭くなること)を防ぐ薬剤を塗ったステントである薬剤溶出性ステント(DES)を主に使っており、再狭窄率は約3%に減少しています。薬剤溶出性ステントの使用本数は日本一です。

また、ロータブレーター(Rotablator)の他に、血管内視鏡、国内最高出力を誇るレーザー治療具を導入しました。特にレーザーは、今まで想像もつかなかった膝下や足首の先のつまった血管までも治療できるため、糖尿病性壊疽等の閉塞性動脈硬化症(ASO)に対し威力を発揮します。以前は足の切断術を余儀なくされていたケースの患者さまが、切断なしに治療を受けるケースが増えてきました。

心臓カテーテル室は、2台のカメラで2方向から同時に撮影できる最新鋭のBIPLANE装置を6室有し、通常の半分の造影剤で検査、治療ができます。また心臓カテーテル検査は、ほとんど24時間以内での退院で土曜日も行えるため、土・日曜日しか休めない患者さまにも大変好評です。

以上に触れた冠動脈疾患、心不全管理の他にも、不整脈の診断と治療、ペースメーカー植え込み術、高度な循環器画像診断技術(経食道エコー、MRI、高速高精度CT、核医学的心筋および心機能評価)が専門スタッフにより積極的に進められています。

このように、実に多様かつ活発な当循環器科の活動状況ですが、その患者層の約7割が松戸市と近隣の市町村の居住者であることが把握されており、地域に密着した医療を展開していることが伺われます。

そして今後も地域の医療機関、開業医の先生方とのさらに密接な連携により、地域に根ざした医療活動の一層の充実を図るべく、努力して参りたいと存じます。