上顎洞がん
上顎洞がん(副鼻腔がん)について
鼻の中の空気の通り道を鼻腔(びくう)といい、その周囲にある鼻腔と繋がる部屋(空間)を副鼻腔と呼びます。副鼻腔には前頭洞・蝶形骨洞・篩骨洞・上顎洞の4つがあり、これらの部位に発生するがんを副鼻腔がんと呼びます。
副鼻腔がんの大半は上顎洞の粘膜から発生する場合が多いため、以下は上顎洞がんを中心に説明します。
鼻腔・副鼻腔の部位

症状
症状としては繰り返す鼻詰まりや鼻血があります。これらの症状が数週間にわたって、片側だけに現れる場合は受診をおすすめします。上顎洞がんではがんが増殖するスペースがあるため初期では症状が現れにくく、進行してからの発見となることが少なくありません。進行した上顎洞がんの症状としては頬の痛みやしびれ・腫れ、眼の症状(眼球が飛び出し気味になる、物が二重に見える)歯ぐきの腫れ、歯のぐらつき、口の中の上あご部分の腫れ、口が開けづらいなどがあります。
検査
まず鼻鏡という器具を用いて視診を行います。より深い位置を見るために細い内視鏡(ファイバースコープ)を使用する場合もあります。そのうえでがんが疑われる場合は、病変部の組織を採取し病理検査を行い、がん細胞の有無や種類を調べます。(細胞診)
また、がんの大きさやリンパ節転移の有無、遠隔転移の有無を確認するためにCT、MRI、超音波(エコー)検査 、PET-CTなどを行う場合があります。
治療
大きく分けて手術による切除と化学放射線治療の2つがあります。化学放射線療法は薬物療法を放射線治療を組み合わせる治療法です。
副鼻腔がんは脳や眼球、口などに隣接する部位に発生するため、治療にあたってはがんを治すこと(根治性)・機能を残すこと・整容面(見た目)のバランスをよく考え、患者様やご家族さまのご希望や価値観も踏まえて治療法が検討されます。
一般的に上顎洞がんに対しては手術によるがんの切除と術後の化学放射線療法が行われます。
手術後は必要に応じて欠損した部分に対する再建を行います。患者様ご自身の組織や人工材料を使用して機能回復や整容面の回復を図ります。
当センターの上顎洞がん治療の特長
当センターの上顎洞がん治療の特長は以下の通りです
- 年間約300件の頭頸部手術を手掛けてきた経験豊富なチームが治療を担当します。
- 当院はがんの3大治療(手術療法、薬物療法、放射線治療)がすべて行える施設です。
- 当院は心臓病患者様の診療を数多く行っているため血液サラサラのお薬を飲んでいる方が数多くおいでです。また、ご高齢な方も多く、そうした患者様に対する手術の経験を豊富に有しています。施設によっては手術が難しいと判断される症例でも、慎重な検討を加えたうえで、できる限り積極的な治療を行っています。
担当医師

増淵 達夫 頭頸部腫瘍センター長・頭頸部外科部長
日本頭頸部外科学会 頭頸部がん専門医・指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本頭頸部外科学会 頭頸部アルミノックス治療指導医
日本耳鼻咽喉科学会認定 耳鼻咽喉科専門研修指導医・耳鼻咽喉科専門医
The Best Doctors in Japan 2021-2025
医学博士
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患者様
当院頭頸部外科外来にお越しください。完全予約制となりますので、事前にお電話にて診療予約をお願いします。


頭頸部外科外来 | 火曜日、水曜日、土曜日(祝日除く) |
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※現在アネックス館2階仮ブースにて外来を実施しております。2025年夏の本館頭頸部腫瘍センター設備オープン以降は外来体制を拡充する予定です。
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