外科

診療概要

肝胆膵

肝胆膵悪性腫瘍の外科手術は高度技術が必要となるのが特徴ですが、当科ではがんセンターで研修を積んだスタッフと肝胆膵外科高度技能指導医のもと、あきらめない医療をモットーに治療を行っています。

対象疾患

肝細胞癌・肝内胆管癌・転移性肝癌・肝嚢胞・肝内結石症・胆嚢癌・胆管癌・肝門部胆管癌・乳頭部癌・胆石症・胆嚢ポリープ・膵臓癌・膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)・膵神経内分泌腫瘍(PNET)

千葉西総合病院 外科・消化器外科では、2018年 松戸市の中で初めて日本肝胆膵外科高度技能専門医修練施設に認定されました。今まで千葉県内では、がんセンター・千葉大学病院を含め10施設のみの認定施設で、千葉西総合病院
外科・消化器外科が11施設目となります。高度技能専門医修練施設とは肝臓癌・胆管癌・膵癌などの難易度の高い手術を安全・確実に行うことができる施設のことです。

また、肝臓癌に関しては日本肝臓内視鏡外科の関連施設として腹腔鏡下肝臓切除の適応拡大を行いながら、腹腔鏡下肝切除の安全性を確認する試験に参加しており、膵臓癌に関しても膵臓内視鏡外科の関連施設として腹腔鏡下膵切除の安全性を確認する試験にも参加し、安全な手術を第一に考え取り組んでおります。

胆道疾患に関しても良性から悪性疾患までを診断から内視鏡治療、外科手術、抗癌剤治療にいたるまで消化器内科と協力し、日本胆道学会指導施設にも認定されております。

このように難易度の高い肝胆膵外科手術に関しても腹腔鏡下手術を積極的に取り入れながら患者様の安全性を確保し、安心して手術(治療)が行えるようにこれからもスタッフ一同努力していく所存であります。

指導・修練施設に関しましては、日本肝胆膵外科学会ホームページ日本胆道学会ホームページを参照してください。

胃癌の根治的な唯一の治療は切除であり、胃カメラでの切除(ESD)が可能な病変は消化器内科で切除、ESD適応外病変に対しては早期癌・進行癌問わずほぼ全例で腹腔鏡手術で切除を行っております。開腹手術ではなく腹腔鏡手術を行うことで、80歳以上の高齢な患者様でも安全にかつ負担少なく治療を受けられております。ただし他臓器に及ぶなど、腫瘍が大きく開腹手術の方が治癒切除を望める場合は、個々の症例に応じて患者様と相談しつつ腹腔鏡手術か開腹手術かを選択しております。他施設で腹腔鏡手術が困難といわれた症例でも、当院では可能と判断し腹腔鏡手術を行った患者様がいらっしゃいます。

多くの進行癌では抗がん剤治療を併用する必要があり、手術前に抗がん剤治療を導入し縮小させたところで手術で根治切除する集学的治療を行うことで、根治率の向上を図っています。癌が見つかった際切除できないと判断される進行した症例においても、あきらめずに集学的治療を行うことで治癒を目指しています。

また胃切除は術後の食生活に大きな影響を及ぼすため、積極的に胃を温存する方針を取っております。手術中の病理診断を多用し、可能な限りの温存に努めています。また早期癌と進行癌が併存する場合は、消化器内科と密に連携を取り、早期癌をESDで切除し進行癌を腹腔鏡で切除することで胃の温存を図ります。

近年増加している食道胃接合部癌に対しましては、胸腔鏡と腹腔鏡を併用し、身体的な負担を減らし、また胃の大部分を温存することで術後の生活の負担を少なくし、癌の根治性と生活の質の向上の両立を目指しています。

胃のGISTのような粘膜下腫瘍に対しましては、消化器内科と合同での腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS:laparoscopy and Endoscopy cooperative Surgery)を行い、胃の大部分の温存を図っています。

対象疾患

胃癌、食道胃接合部癌、胃GIST、胃粘膜下腫瘍

大腸

国立がんセンター東病院出身の内視鏡外科技術認定医のもと、ほぼ全例で腹腔鏡手術を 実施しております。また、肛門に非常に近く、従来永久的な人工肛門を作っていた直腸癌に対し、究極の肛門温存手術である内肛門括約筋切除(ISR)を行っております。

直腸がん治療において、手術支援ロボットを活用した最新の内視鏡手術「ダヴィンチ手術」を実施しています。

直腸がんダヴィンチ手術200例を達成しました。<2022年8月>

対象疾患

大腸癌(結腸癌・直腸癌)・肛門管癌・家族性大腸腺腫症(FAP)・大腸ポリープ・内痔核

食道

食道癌に対しては進行状況および患者様の状態に応じて、手術・抗がん剤治療・放射線療法を組み合わせて治療しています。従来は開胸・開腹での手術で非常に大きな身体的負担がありましたが、当院では積極的に胸腔鏡による食道切除と腹腔鏡による再建術を行い、身体的負担や合併症の少ない治療を提供しています。StageII~IIIの患者様に対しましては、手術前に化学療法を導入する集学的治療を行うことで根治性の向上を図っています。

近年増加している食道胃接合部癌に対しましては、胸腔鏡と腹腔鏡を併用し、身体的な負担を減らし、また胃の大部分を温存することで術後の生活の負担を少なくし、癌の根治性と生活の質の向上の両立を目指しています。

対象疾患

食道癌、食道粘膜下腫瘍、食道裂孔ヘルニア

良性疾患

当院は2次緊急指定医療告示機関であり、虫垂炎や胆嚢炎、消化管穿孔、腸閉塞などの緊急手術も24時間・年中無休で対応しております。多くの症例で腹腔鏡手術を導入し、回復を早くし合併症を減らすことで、救命率の向上を図っています。

対象疾患

虫垂炎・胆嚢炎・胃十二指腸潰瘍穿孔・大腸穿孔・腸閉塞・鼠径ヘルニア・気胸など

初めて外来を受診される患者様へ

紹介状をお持ちの患者様につきましては、かかりつけ医療機関より事前にFAX送信をいただくことで、当日受診時の事務作業がスムーズになり混雑時の待ち時間短縮となります。当院、地域連携室ホームページをご参照ください。

当院は千葉県がん診療連携協力病院です

千葉県では「千葉県がん対策推進計画」に基づき、県民が身近な地域で質の高いがん医療を受けられるよう、県内17病院を「千葉県がん診療連携協力病院」に指定しています。「千葉県がん診療連携協力病院」は「千葉県がん診療連携拠点病院」に準じた、高度ながん診療を行っていると認定された病院で、当院は胃がん、大腸がん、肝がんの3分野で指定を受けています。

日本大腸肛門病学会認定施設になりました

日本大腸肛門病学会より日本大腸肛門病学会認定施設として認定されました。(2019年1月)

2018年 手術実績