専門医療センター

喉頭がん

喉頭がんについて

喉頭(こうとう)は「のどぼとけ」付近にあり、気管の入口にあたる器官です。声を出す機能や食べ物が誤って気管に入ってしまうことを防ぐ機能など、複数の重要な機能がある部位です。

声帯とその周囲をまとめて声門といい、声門より上を声門上部、下を声門下部と呼びます。喉頭がんはがんが発生する部位に応じて、声門がん、声門上部がん、声門下部がんに分類されます。

症状

初期症状として声のかすれ、のどの違和感、飲み込み時の痛みなどが多く見られます。いずれも風邪の症状と同様のため見過ごされがちですが、1カ月以上症状が続くようでしたら受診をおすすめします。声門上部がんでは頸部リンパ節への転移が起こりやすいため、早期から首に腫れ、しこりが発生するともあります。

検査

まず喉頭内視鏡にて直接喉頭を観察します。そのうえで喉頭がんが疑われる場合は、病変部の組織を採取し病理検査を行い、がん細胞の有無や種類を調べます。

また、がんの大きさやリンパ節転移の有無、遠隔転移の有無を確認するためにCT検査、MRI検査、超音波(エコー)検査 、PET/CT検査などを行う場合があります。

治療

喉頭は声を出す、食事をとるなどQOL(生活の質)を左右する大切な機能に関わる部位ですので、治療にあたってはがんを治すこと(根治性)と機能を残すことのバランスをよく考え、患者様やご家族さまのご希望や価値観も踏まえて治療法が検討されます。

一般的には早期がんに対しては喉頭の温存を目指した、喉頭温存手術もしくは放射線治療を行います。進行がんに対しては喉頭温存を目指す化学放射線療法(抗がん剤治療と放射線治療を併用する治療法)か喉頭を摘出する手術が選択されます。

手術後は必要に応じて嚥下(飲み込み)や発声に関するリハビリを行います。

ボイスプロステーシス(プロヴォックス)について

声帯の摘出が必要となった場合でも、器具を挿入して声を出せるようにする手術も実施しています(適応は限られるため、すべての患者さんに施行できるわけではありません)。ボイスプロステーシス(製品名:プロヴォックス)と呼ばれるこの器具は気管と食道の間に設置され、発声の際に肺の空気を食道に送り込むことで声を発する仕組みです。食道発声よりは習得が容易で、電気喉頭より明瞭な発声が得られることが多いですが、患者さん自身でのメンテナンス、定期的な器具の交換が必要になります。

ボイスプロステーシスの仕組み(模式図)

当センターの喉頭がん治療の特長

当センターの喉頭がん治療の特長は以下の通りです

  • 年間約300件の頭頸部手術を手掛けてきた経験豊富なチームが治療を担当します。
  • 当院はがんの3大治療(手術療法、薬物療法、放射線治療)がすべて行える施設です。
  • 当院は心臓病患者様の診療を数多く行っているため血液サラサラのお薬を飲んでいる方が数多くおいでです。また、ご高齢な方も多く、そうした患者様に対する手術の経験を豊富に有しています。施設によっては手術が難しいと判断される症例でも、慎重な検討を加えたうえで、できる限り積極的な治療を行っています。

担当医師

増淵 達夫 頭頸部腫瘍センター長・頭頸部外科部長

日本頭頸部外科学会 頭頸部がん専門医・指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本頭頸部外科学会 頭頸部アルミノックス治療指導医
日本耳鼻咽喉科学会認定 耳鼻咽喉科専門研修指導医・耳鼻咽喉科専門医
The Best Doctors in Japan 2021-2025
医学博士

ご受診・お問い合わせ

患者様

当院頭頸部外科外来にお越しください。完全予約制となりますので、事前にお電話にて診療予約をお願いします。

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ご予約専用
月〜金 9:00-17:00 / 土 9:00-12:00
頭頸部外科外来火曜日、水曜日、土曜日(祝日除く)

※現在アネックス館2階仮ブースにて外来を実施しております。2025年夏の本館頭頸部腫瘍センター設備オープン以降は外来体制を拡充する予定です。

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