産婦人科

婦人科低侵襲手術

当科では婦人科良性疾患に対して患者様の体への負担が少ない低侵襲手術(腹腔鏡・子宮鏡・ロボット支援下手術)を積極的に実施しています。
対象となる疾患と、それぞれの手術の特徴について説明します。

対象となる主な疾患

主に子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮内膜症などの良性疾患を対象としています。手術療法以外にホルモン剤などの薬物を用いた保存的治療も行っております。

腹腔鏡手術

腹腔鏡手術は3~4か所の1〜2cm程度の小さな穴から挿入する、カメラや鉗子により行われます。お腹の中にガスを注入して膨らませる(気腹)ことでスペースを作り、術者はモニターに表示されるカメラ映像を見ながら、手術を進めます。骨盤内は尿管や血管などの重要な臓器が狭いスペースにまとまっていますが、それらを拡大したカメラ映像で確認することが出来るため、正確で安全な手術を行えます。
従来の開腹手術に対して手術による傷が圧倒的に小さいため、術中の出血量や術後の痛みが少なく、回復も早い(早期に社会復帰できる)のが特徴といえます。また、美容の観点からも優れており、腹腔内で癒着が発生する可能性が低いため術後に妊娠を希望される方には良い適応となります。ただし、まれではありますが手術の状況によって開腹手術に移行する場合もあります。

当院の子宮筋腫手術の特色
当院の子宮筋腫手術の特色

子宮鏡手術

子宮粘膜下筋腫や子宮内膜ポリープなどに対して行われる手術です。生理食塩水を子宮内に満たし、子宮内を膨らませながら子宮鏡(子宮用の内視鏡)を挿入します。内視鏡の先端にあるカメラの画像を見ながら、子宮鏡の先端の電気メスを操作して切開・切除・出血凝固などを行います。体を切開する必要がなく、婦人科疾患の内視鏡下手術の中でも最も低侵襲であると言えます。

ロボット支援下手術(ダビンチ手術)

ロボット支援下手術(ダビンチ手術)は腹腔鏡手術の進化形といえる手術で、腹腔鏡手術では医師が直接行っていた鉗子等の操作をロボットアームを介して行います。ロボットを使用することで手ぶれが排除できること、アームに腹腔鏡鉗子にはない関節があることでより自由度が高く、より正確で安全な手術を行えます。
なお、当院は早期からロボット手術を手掛けており、ロボット手術を熟知したスタッフにより構成されるチームが手術を担当しています。婦人科では2022年から子宮良性疾患に対するロボット支援下子宮全摘術を開始しております。

ダビンチXi(ペイシャントカート)