
〒270-2251
千葉県松戸市金ヶ作107-1
[症例]
この患者さまは75歳の男性で、腎臓の機能が悪く、狭心症の治療も受けています。ASOのために足の血行が悪くなり、足の指に潰瘍ができ歩行もままならないばかりか、足の痛みで夜も寝られなくなりました。両方の大腿動脈が詰まっていましたが、バルーンでは歯が立たず、エキシマ・レーザーで治療することができました。
この患者さまは75歳の男性で、腎臓の機能が悪く、狭心症の治療も受けています。ASOのために足の血行が悪くなり、足の指に潰瘍ができ歩行もままならないばかりか、足の痛みで夜も寝られなくなりました。両方の大腿動脈が詰まっていましたが、バルーンでは歯が立たず、エキシマ・レーザーで治療することができました。

治療前のABI(両足とも血液がほとんど巡っておらず、数値はゼロです)

治療後のABI(両方とも血液の流れが改善し、数値も大きく上昇しています)
患者さんの足の痛みは消失し、車椅子生活から解放されて歩行できるようになりました。
患者さんの足の痛みは消失し、車椅子生活から解放されて歩行できるようになりました。
慢性下肢動脈疾患の診断と治療:総括
- ASOは60歳以上の5%(男性)、2.5%(女性)に間歇性跛行がみられるが、非観血的検査を用いれば少なくとも3倍の患者が見つかる。
- 自覚症状無い、動脈疾患
自覚症状が無い患者はABI検査によって見つけられる。これは足首の収縮期血圧を上腕の収縮期血圧で割って算出する。
- 自覚症状が有る動脈疾患:質問表による診断
この方法でのエジンバラ動脈研究によれば、55-74歳の4.6%にASOが見られた。
- 非観血的検査法による診断
ABI≦0.9がASO診断の基準値となっている。ABI≦0.9を用いれば、ASOの発症頻度は質問表を使った場合の約3倍である。自覚症状が無いか又は軽い症状の多くの患者は、ABI≦0.9であるが質問表では発見されない。ABIは質問表よりも敏感である。
- 重症虚血肢
ASO患者のおよそ15-20%が間歇性跛行から重症虚血肢に移行すると推定されている。
- リスクファクター
下肢動脈硬化のリスクファクターは他の血管のリスクファクターと同様で、年齢、男性、糖尿病、喫煙、高血圧、高脂血症である。
- 糖尿病と耐糖能異常
糖尿病の人は糖尿病で無い人に比較して、下肢切断が7倍の頻度で発生する。糖尿病を持たない人の大切断の頻度は100万人当たり200-280人だが、糖尿病の人は頻度が高くて、100万人当たり3000-3900人である。
- 高血圧
フラミンガム研究によれば、高血圧がASOと最も関連が深い。
- 自然経過
ASO患者の16%が自覚症状が進行し、25%が手術を受けるか体の一部を失う。4%近くの人が大切断を受ける。フラミンガム研究によれば、間歇性跛行の有る患者で、4年間自覚症状が変わらなかったのはわずかに30%であった。
- 心血管疾患と死亡のリスク
ASO患者は広範な動脈疾患を持っており、自覚症状の有無にかかわらず、心筋梗塞、脳卒中など心血管疾患による死亡の顕著なリスクを持っている。少なくともASO患者の28%が冠動脈疾患、10%が脳動脈疾患を持っている。
間歇性跛行を持つ患者の死亡率は年齢と性を合わせた対照と比較すると2-3倍である。ある研究では、ASO患者の5年、15年後の全ての原因による死亡率はそれぞれ30%、70%であった。対照群の死亡率は同様に10%、30%であった。
ASO患者は75%が心臓か脳の疾患で死亡する。
ABIが小さいことは全ての原因による死亡、心血管疾患による死亡の独立した予知指標である。
ABI≦0.9は全ての原因による死亡比率が3.8倍であることを予知する。これらのことから、55歳以上の患者のスクリーニング検査を完全な形で行う場合にはABI測定を行うことを推奨する。
- ABIの正常値は1.0以上であるべきだ。測定誤差を勘案すると一般的には0.95以上が正常値とされる。追跡検査に用いる場合には、0.15以内の変化は検査手技の誤差範囲とみなされる。
- つま先収縮期血圧指標
糖尿病患者にはASOが約20倍の頻度で発生するので、糖尿病患者を選択して扱うことが重要である。
糖尿病患者には中膜石灰化がしばしば見られ、足首の血圧が測定しにくい。中膜石灰化は指動脈までは進行しないので、ストレンゲージやPPGを使って、指の収縮期血圧を測定し還流圧を求めることが出来る。
- 運動療法
特に禁煙を始めとする、リスクファクターの改善を伴った運動療法は伝統的で中心的な間歇性跛行治療法である。運動療法は最も効果のある治療法である。
- 禁煙
禁煙はしばしば運動療法と共に間歇性跛行の治療に用いられる。喫煙は慢性末梢動脈閉塞症の最も顕著な独立したリスクファクターで、この疾患の進行と関連し、跛行の悪化、下肢の虚血、切断、インターベンション治療を必要とすることとなる。










